テレワークは業務管理で部下のモチベーション低下を防ごう

テレワーク導入の必要性は感じていても、実際に業務管理がうまくいくのか、社員のモチベーションが維持できるのか不安に感じている方もいるのではないでしょうか。 導入はしたけれど、「社員の状況が把握しにくい」、「モチベーションが下がっているように感じる」と悩んでいる方もいるかもしれません。 そこでこの記事では、テレワークによる社員のモチベーション低下を防ぐ方法をまとめました。業務管理でお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。


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テレワークでモチベーションは下がってしまう?

テレワークを導入して、オフィスを離れて自宅などで業務を行っていると、仕事に対するモチベーションが下がってしまうのではないかと懸念している管理職の方もいるでしょう。

では、実際のところはどうなのでしょうか。

この点に関して、リクルートキャリアが行った調査によると、テレワーク実施後で「働くモチベーションが低い」と回答した人の割合が実施前よりも増加していることが明らかになりました。

また、テレワークを導入したことによって、モチベーションに影響する仕事の5要素の中でも実施前より「仕事の全体感の把握」「上司や同僚からのフィードバック」「仕事の重要性の実感」が低下していることが顕著になっています。

これにより、テレワークによって仕事の全体像が把握しづらい、仕事の重要性を感じにくくなっていることがいえるでしょう。

出典:新型コロナウイルス禍における働く個人の意識調査(リクルートキャリア)

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テレワークでモチベーションが下がってしまう原因

通勤の負担軽減など良い面が取り上げられることも少なくないテレワークですが、モチベーションが低下してしまう原因はどこにあるのでしょうか。注意すべき4つのポイントについて解説します。

オンオフのメリハリがなくなる

テレワークの実施にあたって多く指摘されているのが、オンとオフの切り替えが難しいということです。これが仕事に対するモチベーションの低下を起こす要因のひとつでもあります。

オフィスに出社する場合だと、場所が変わることが意識の切り替えにつながりますが、テレワークだとほとんどの方が自宅で仕事をすることになります。生活の場と仕事の場が同じになるため、区切りをつけるのが難しいことは否めません。

従業員同士のコミュニケーションの機会が減る

同僚や上司など仲間と一緒に働けるオフィス勤務と違い、テレワークは一人で仕事に向かいます。オンライン上ではつながっていても、直接の対面がないと些細なコミュニケーションを取る機会が減って、孤独感が増してしまいます。

コミュニケーションの不足はストレスの増大にもつながります。雑談はもちろん相談もしにくいため、上司や先輩からのフォローも届きにくくなってしまい、仕事に慣れない新入社員など若手社員にとっては、仕事に対する不安が増大していることも懸念されます。

周囲の目がないため緊張感がなくなる

多くの社員と一緒に働くオフィスでは、常に緊張感をもちながら仕事にあたります。しかし、自宅ではほかに一緒に仕事をしている人がおらず、姿を見られることもないため、ついネットサーフィンしてしまうということも起こりがちです。

ほかの社員が業務に取り組む姿を見ることも少なくなり、仕事に対する責任感が薄れてしまう心配もあります。

仕事の進捗状況がわかりづらい

テレワークでは仕事の進捗状況をこまめに確認できないため、チーム内の誰が何をしているのか把握することが困難です。そのため、自分が今何をすべきか、どのように業務を進めれば良いのかわからなくなりがちです。

もちろんオンライン上でもチャットツールなどを用いてコミュニケーションをすることは可能です。ルールを決めるなど工夫をすれば進捗を把握できますが、慣れるには多少時間がかかるでしょう。

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テレワークでモチベーション低下を防ぐ4つの方法

モチベーションが下がる可能性があるとはいえ、オフィスに通勤するのがむずしい状況ではテレワークの導入を検討することも必要です。

テレワークによるモチベーションの低下をできる限り防ぐためには、どうしたら良いのでしょうか。導入前から取り組んでおきたい4つの方法についてご説明します。

1.業務評価について明確にしておく

テレワークの導入といっても、全員が在宅勤務になるのではなく、交代勤務だったり部署によって対応が違ったりする場合もあります。その際、業務評価についてテレワークをする人とオフィスに通勤する人との間で差が出ないように工夫することが必要です。

テレワークでは勤務の様子を直接確認したり、オフィスでやり取りしたりすることができないため、勤務態度等での評価では差がついてしまいます。公平にするために、成果重視で評価する仕組みを作っておくべきでしょう。

成果をどのような形で確認するのか、可視化できるようにしておくこともポイントです。評価に関する注意点については、厚生労働省が公表している「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」にも記載されているので、確認しておきましょう。

出典:テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン(厚生労働省)

2.業務の重要性について共有する

目の前の作業だけを見ていると、その業務の重要性や社会に対する事業の必要性などを見失いがちです。組織や企業、それぞれのチームの使命やビジョンを改めて明確にし、社員が理解できるようにしておきましょう。

そのうえで、一人ひとりが企業に貢献することでどのように社会貢献につながるかを考え、それぞれの業務の重要性を理解してもらうことが大切です。自分が担当している業務が社会で必要とされる事業の一部だと捉えられれば、仕事に対するモチベーションの低下を防止することにつながります。

3.従業員それぞれの1日のタスクを決める

毎日の業務に臨むうえでは、1日のタスクをあらかじめ決めておくと良いでしょう。その日にやるべきことが明確になり、モチベーションの向上につながります。

また、テレワークは出社・退勤という区切りがないため、長時間労働になりがちです。その日のタスクを決めておけば、メリハリがつき、時間外労働の防止にもなります。

個人のタスクだけでなく、チーム全体でのタスクを決めたり、個人のタスクを共有したりすることも重要です。それによってチーム内での業務の進捗も把握しやすくなり、チーム全体での業務効率も上がっていくでしょう。

4.モチベーション維持はチーム単位で考える

テレワークにおけるモチベーションは、個人の仕事に対する姿勢や仕事環境はもちろん、チームの状況などに大きく左右されます。個人の努力のみでモチベーションを維持することは難しいので、チーム全体でモチベーション維持を意識するよう心がけましょう。

チーム内や社内にモチベーションの高い人がいると、一緒に仕事をしている社員も影響を受けやすくなります。テレワークでもコミュニケーションをおろそかにせず、チャットやWeb会議を活用してこまめなコミュニケーションを図るようにしましょう。

チーム単位で取り組むことで、孤独感の解消や不安・ストレスの軽減にもつながります。

東京・ビジネス・ラボラトリーでは、業務管理やマネジメント、メンタルヘルスなど、さまざまな社員向けの研修を行っています。オンラインでの開催にも対応しており、テレワークを余儀なくされている状況下であっても、一人ひとりが組織に貢献できる姿勢を身につけることが可能です。

テレワークでのモチベーション維持など、社員の業務管理にお悩みの方はご相談ください。

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まとめ

仕事に対するモチベーションを維持することは、個人だけでなく企業全体での生産性の向上や業務の質の向上につながります。しかし、それは個人の努力だけでは難しいため、組織全体でのマネジメントが重要です。

テレワークの導入によって、これまでのような業務管理が難しくなる場面も増えました。しかし、工夫次第で社員のモチベーションを高く維持することは十分可能です。

まずは社員の現状を確認し、課題を把握するところからはじめてみてはいかがでしょうか。