大夫、長期化してきましたね。
今現在も感染が広がっているニュースを聞くと、気が滅入ってしまう方も少なくないでしょう。
コロナウィルスに対するストレスの要因として考えられるものに下記のことが挙げられます。
・病気そのものに対する不安・恐怖・緊張
・医療崩壊への危機感
・大切な人をなくすのではないかという恐怖
・経済面への不安、仕事ができない、休業を余儀なくされている
・子供たちは休校になり、体を動かせない、勉強が遅れる、友達に会えない
・自分ではどうすることも出来ない事への怒り、不満
そして、非常事態宣言が出されたことで、家にひきこもりがちになることで、配偶者やパートナーからのDVといった問題も出てきています。
私達は、コロナウィルスの感染予防のために、手洗いうがい、マスクの着用、健康的な食生活、睡眠、三つの密をさけるなど様々な対策を日々取っています。
そして免疫力を高めることも、感染予防になるということは、周知の事実かと思います。
実は長く続く強いストレスは、免疫力低下の大きな要因となります。
今日は脳科学&認知行動療法士の立場から脳とストレスの関係についてお話したいと思います。
健康を維持する3つの働き
『三つの密』大事だけど・・『健康を維持する三つの働き』を意識しよう
私たちの体は3つの働きのバランスを保つことで、健康を維持しています。
- 自律神経
- 内分泌
- 免疫
です。
そして、その3つの働きのバランスを保つために指令を出しているのが脳なのです。
脳がストレスを感じることで、どのようにホルモンを分泌するか、指示を出すのです。
『自律神経』と免疫
自律神経はその名の通り、命令しなくても自律的に動いてくれる神経です。
そして、心臓を動かしたり、食べ物を消化してくれたりと、私達が生きていくための最も中心的な役割を担ってます。
自律神経には交感神経と副交感神経があります。
交感神経は、活動するときに優位になる神経。
副交感神経は、休むときに優位になる神経。
一言で言うと、交感神経がアクセル、副交感神経がブレーキのような働きをしています。
自律神経は、免疫に関しては白血球の中の顆粒球とリンパ球のバランスに大きく関与しています。
交感神経が優位に働くと顆粒球が増加することで、細菌やカビなどのばい菌を退治し、活性酸素によって異物を殺します。
ところが、ストレスの長期化などにより、顆粒球が過剰になると、リンパ球が抑制されてしまい、ウィルス感染症にかかりやすくなってしまうのです。
さらに活性酸素が増えることで、細胞を傷つけてしまいます。
つまり、ストレスの長期化は交感神経を過剰に優位にし、免疫力を下げてしまうのです。
という事は、副交感神経を優位にするように心がけると良いという事になります。
なるべく、穏やかに過ごせるよう、心がけることが大切なのです。
というのは簡単ですが、その穏やかに過ごすというのが、なかなか難しいわけです。
最後に、穏やかに過ごせるコツをまとめてお知らせいたしますね。
『内分泌』と免疫の関係
ストレスがかかるとコルチゾールというホルモンが分泌されます。ストレスに負けないよう体が元気になるよう命令するホルモンです。
最初はこの働きで一時的に体を守ることが出来るのですが、ストレスが長期化されると、コルチゾールが分泌され続け、やがて枯渇してしまうのです。
コルチゾールは免疫を高めるホルモンでもあるので、枯渇してしまうと免疫力が低下してしまいます。
さらにコルチゾールは、血管や心臓を守る働きもあるので、コルチゾールが枯渇すると心筋梗塞や脳梗塞の原因になるともいわれています。
ストレスに対処する方法
色々あるけれど、おすすめは思考を変えること
さて、では、どうすれば副交感神経を優位に働かせ、コルチゾール不足を防げるか、という事について、お話したいと思います。
副交感神経を優位にするために良いとされていること
・深呼吸
・心の落ち着く音楽を聴く
・ゆっくり入浴する
・睡眠をとる
・笑う
・好きな人と過ごす
・趣味や好きなことをする
そして、これらを行うことはもちろん効果的ですが、大事なことは
『健康を維持する三つの機能』を司る脳の働きを意識する事です。
どんなに心を落ち着かせる行動をしていても、肝心の脳が、ストレスを感じていては、何にもならないのです。
脳はストレスを感じると、ホルモンの分泌について指令を出すのでしたよね。
ストレスを感じないのはなかなか難しいですが、受け止め方を変化させたり、それにとらわれすぎないようにすることで、ストレスの強度を下げたり長期化させないことは可能になります。
例えば
コロナウィルスにかかったらどうしよう
→ずっと心配していても仕方がない、やれる最善を尽くそう
→収入は落ちたが健康に使える時間が増えた
→国の支援なども必要だし、深刻な状況であることには変わりないけど、今ここで健康であることに感謝しよう(感謝は幸せホルモンを増加します)
など。
実はこの考え方を変化させるための療法があります。
認知行動療法です。
落ち込みやすい、生きづらい原因となる思考を変えて、行動も変化させるものです。
決して、無理やりポジティブに考えるようにするものでなく、物事を必要以上にネガティブにとることをやめ、現実的に、さらに自分にとってベストな人生を歩めるよう、自分の人生をコントロールできるようにするものです。
東京ビジネスカウンセラー学院では、脳科学&認知行動療法士コースで、上記のような脳とストレスの関係や、本格的な認知行動療法を学ぶことが出来ます。
ストレスを感じやすい方におすすめの講座です。また、心理療法のひとつとして、カウンセリングに大いに役立ちます。
(記事担当 脳科学&認知行動療法士 インターン 小室 知津子)