ネガティブ社員の特徴は?
まずは、どの社員がネガティブなのか見抜きやすくなるように、特徴となる性質を解説します。
物事を消極的に考える
失敗を極度に恐れていることから、物事に対して否定的なイメージを最初に抱きやすい傾向にあります。
新しいチャレンジなどはリスクを中心に考えるため、希望や楽しみなどの期待をすることはほとんどありません。
また、些細なトラブルやミスも大げさに捉えがちで、「責められるんじゃないか」「怒られないだろうか」と常に不安を感じているでしょう。
周囲からの助言やアドバイスがあっても、なかなか取り入れられず視野が狭くなりがちです。
思い込みも強いため、自身の主観だけで考えて行動しやすくなり、偏った判断しかできなくなる場合もあります。
業務としては、新しい仕事やプロジェクトなどに消極的となり、挑戦が必要なことは避けるようになるでしょう。
これらの根底には、責められたくないという気持ち以外にも「どうせ自分は何をやってもうまくいかない」という考えが根付いていることが原因です。
変化を恐れる
新しい物事に取り組むことを否定的に考えているため、変化に対しても柔軟な対応ができません。
人は挑戦と失敗を繰り返し、次はどうすれば成功するかと考え実行することで成長していきます。
しかし、ネガティブ社員の場合は変化を恐れるあまり、挑戦も成功のための試行錯誤も行うことができません。
つまりそれは、成長する気がないという捉え方もできるでしょう。
どのように周囲から促されても、変化を避けて自身の考え方を改めようとしないのも特徴的です。
また、誰しも行動を起こす前には、ある程度のイメージをして実行に移します。
もともとは慎重なタイプでもあるネガティブ社員の場合は、このイメージの中ですべてを完結させてしまう傾向にあるのです。
主にマイナス面にフォーカスしたイメージを行い、リスクを最大限に考慮して判断するため、結果として何も行動しなくなります。
周囲に不満をもらす
何かうまくいかないことや気に入らないことがあると、すぐに愚痴や不満をこぼす傾向にあり、これは周りに悪影響を広げる原因にもなります。
「あの人がいるとモチベーションや仕事に影響する」という声があがっている場合は、その人がネガティブ社員である可能性が高いでしょう。
状態がエスカレートすると、攻撃性や被害者意識が高まるケースもあり、ときとしてハラスメントにつながる危険性もあるのです。
また、不満以外に言い訳が多くなるという特徴もあります。
失敗やできなかったことに対して「でも」「だって」「忙しくて」という言葉が多い社員には気をつける必要があるでしょう。
このような言い訳をすることは、責任から逃れることで責められたくない、注意を受けたくないと、という考えに基づいている場合が多くあります。
ネガティブ社員が「ネガティブ思考」になってしまう理由
どのような考え方にもその要因はあり、ネガティブな思考になってしまったことにも理由があります。
原因を知ることで対策もしやすくなりますので、ネガティブ社員についてさらに理解を深めていきましょう。
自分に自信がない
最も根本的な部分になりますが、自己肯定感が低いことはネガティブな思考に陥る原因となります。
自信がない状態では、文字どおり自分を信じることができず、肯定的な考えが持てません。
周囲に対してだけではなく、自分自身にも否定的で悲観的な考えを持ちやすいでしょう。
このような考えになった背景には、成功体験が少ないことが関係しています。
取り組んだことが失敗に終わってしまった、という経験が多いと感じている人は、新しい行動に希望が持ちにくくなるでしょう。
そうなると、ネガティブなイメージを持ちやすくなり、行動も起こせずに成功体験を積むことができなくなります。
その状況でさらに自信を失くして失敗しやすくなるため、どんどん悪循環にはまることになるのです。
すべてのことに不安感のある状態になると、周りからの何気ない助言やアドバイスでさえ、責められていると感じるようにもなります。
挫折経験を引きずっている
努力したのに見返りがなかったという経験があると、その挫折感からネガティブな思考になる場合があります。
学生の頃であれば、受験の失敗、部活の大会などでの敗北があるでしょう。
もちろん社会に出てからも、大きな取引や一大プロジェクトでミスをすることも考えられます。
それらのことがきっかけとなり「自分は努力しても無駄」という思考になる可能性があるのです。
何をしても上手くいかないという気持ちになってしまうと、やはり行動力や挑戦心は薄れていくことになるでしょう。
大きな挫折の後では気持ちもマイナス方向に行くため、先ほども説明した成功体験を積み重ねることが難しくなるかもしれません。
育った環境にもよる
同じような体験や挫折を経験しても、ネガティブな思考にならない人もいますが、その違いには今まで生きてきた環境の影響もあるでしょう。
影響力が大きいものとしては人間関係があげられます。
性格の形成やストレス耐性には人との関係性が大きく関与しており、周囲の状況によっても考え方は変化するものです。
例えば、愚痴や文句、批判ばかりを繰り返す人と長期間一緒に過ごしていると、その人と同じような思考をしやすくなります。
また、周りに認めてくれる人が少なく、逆に否定されることが多かった場合は自己肯定感が失われるでしょう。
このように、ネガティブ社員になった背景にはさまざまな要因があるため、「大丈夫だから自信持って」や「ネガティブな言葉は控えるように」と声をかけるだけでは改善が難しいかもしれません。
ネガティブ社員への適切な対応策を身につけよう!
それでは、実際にどのような対応をすれば良いかについて解説しましょう。
社内での役割を明確にする
ネガティブ社員は自信を失っている状態でもあり、自分の存在意義を見出すことができません。
そこで、できる範囲の仕事を任せて責任感を持たせることが重要になります。
社内にもそれぞれで役割があり、自分もその中の一員として必要とされている、そう感じられるように促しましょう。
また、小さなもので良いので目標を掲げ、達成することで少しずつ成功体験に結び付けられる可能性もあります。
社員が改善し成長していくためには時間がかかりますので、中長期的にアプローチする必要があるでしょう。
強みを活かせる仕事を振る
その社員の得意とすることや好きな業務は何でしょうか。
ネガティブ社員という位置付けだけで認識していると、周囲もその人の正しい個性を見失っているかもしれません。
しっかりと強みを活かせる仕事を与えることで、自信が身に付き消極的な思考が改善する可能性があります。
また、ネガティブな考えは思い込みによるものが多いとされており、不要な思い込みを失くさせることが大切です。
そのためには、正しい知識や心理学に基づいた対応が必要になります。
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思い込みを排除することで、本来の自分の力が発揮されるようになります。
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まとめ
今回はネガティブ社員の特徴と対策について解説しました。
周囲に愚痴をこぼして物事に消極的になってしまう背景には、自信のなさや挫折体験が影響しているようです。
小さな成功体験を積み重ねることができると、少しずつ改善する可能性もあります。
さらに思い込みによるネガティブ思考を除去できると、本来の力が発揮できるようになるでしょう。