やる気のない部下・・その理由は?
部下に積極的に仕事に取り組んでもらうためには、まずはなぜやる気がもてないのかを知る必要があります。
それがわからなければ適切な対策を取ることはできませんし、かえってやる気を削いでしまうことにもなりかねません。
まずは部下のやる気が出ない理由について解説していきましょう。
モチベーションがわかない
やる気がもてない理由のひとつとしては、そもそも仕事に対するモチベーションがわかないからということが考えられます。
高いモチベーションで業務に臨むためには、その業務が何のためにしているのかを理解しておく必要があります。
取り組んでいる業務にどのような意味があるのか、社会でどのように役に立っているのかがわからず、仕事に対するモチベーションがわかないのかもしれません。
また、業務の必要性は十分に理解していたとしても、自分の頑張りが正当に評価されないとやる気を失ってしまいます。
普段の仕事に対する姿勢や成果に対して十分に評価ができているか、評価に対して部下がどのように感じているかを丁寧に確認することが大事だといえるでしょう。
上司に対して不満がある
仕事そのものにはやりがいを感じていたとしても、一緒に仕事している上司に対して不満があると、部下はやる気を失ってしまいます。
不満を感じるようになった理由やきっかけは人によってさまざまですが、何らかの原因があって上司を尊敬できなくなったり、苦手に感じてしまったりすることは起こりえます。
たとえば、一方的に怒鳴られた経験があったり、そもそも考え方や価値観に違いを感じていたり、などといったことが原因として考えられます。
このような良い印象をもっていない上司から注意や指示をされたとしても、従いたくないと感じたり、反抗的な気持ちをもったりしてしまうでしょう。
上司との関係性が修復されなければ、部下のやる気はどんどん低下していってしまいます。
やる気のない部下にしてはいけないNG行為
何とか部下にやる気を出してもらいたいと、マネージャーやリーダーのポジションにいる方はさまざまなアプローチを試みるのではないでしょうか。
しかし、やり方によっては逆効果になってしまうかもしれないので注意が必要です。
やる気のない部下に対するNG行為のひとつは、間違いに対して反射的に口にしてしまう指摘です。
業務上の間違いや社会人として不適切な言動などが見られたら、「きちんと指導しなければならない」と思って、ついその場で指摘してしまうことも多いのではないでしょうか。
この行為は一見正しいように感じられますが、部下が自ら間違いに気づいて成長・変化する機会を奪ってしまう可能性もあります。
ただ指摘するのではなく、自分で考えて気づくことができるような導きが必要です。
また、部下が必要としていないタイミングでアドバイスを行うこともNGです。
部下の様子を見ていて、「こうすればもっと良くなるのに」と思って声をかけることもあるでしょう。
しかし、良かれと思ってアドバイスをしたつもりでも、部下にとっては不適切なタイミングだったということは実は多いです。
部下がまだ自分で考えている段階では、アドバイスをするよりも部下から質問をしてもらう方が有効です。
アドバイスが必要だと感じたときでも、押しつけるような伝え方は避けましょう。
「提案したいことがあるんだけど良いかな?」「役に立つと思うんだけれど、伝えても良い?」と部下の了承を得てからアドバイスをすることをおすすめします。
そして価値観を決めつけるようなものの言い方もNGです。
「普通はこうするものでしょう?」「これは常識だよね」
などとつい言ってしまう方もいるかもしれませんが、このような言葉は部下にとって、上司の考えを押し付けられているように感じてしまいます。
世代が変われば「普通」や「常識」も変わります。
こちらの価値観に合わせることを相手に求めるのではなく、なぜそうすべきなのか部下がわかるようにきちんと理由をつけて説明するようにしましょう。
部下のやる気を引き出すためにできること
では、どのような対応をすれば部下のやる気を引き出すことができるのでしょうか。
他人を変えることは難しく、どんなに上司がやる気を出してほしいと思っても、無理に心を動かすことはできません。
しかし、ただ待っているだけでは状況は改善しませんので、何かしらのアプローチは必要です。
ここからは、部下にやる気をもってもらうための3つの方法をご紹介していきましょう。
環境を変える努力をする
もしも部下が仕事環境に不満を感じているのだとしたら、上司はそれを変える努力をする必要があります。
定期的に話を聞く機会を設けて、どのようなことに困っているのか、仕事に対して疑問や不満はないか、どんなことを改善してほしいと思っているのかをヒアリングしましょう。
そしてその場で得られた意見に対して話してくれたことに感謝を伝え、改善するよう努めることを示してあげてください。
環境を変えるといっても、もちろんすべてを変えることは不可能で、立場や権限、職場の状況などが理由で変えられないことも多くあるでしょう。
それでも変えようと努力したことは、きちんと部下に伝えてください。
「上司は自分が伝えた言葉を受け止め、それを叶えようとしてくれている」ということを感じてもらうことが重要なのです。
評価をする
部下のやる気のなさは、頑張っていることに対する評価が十分でないことに原因がある場合もあります。
きちんと評価をして、仕事にポジティブなイメージをもってもらうようはたらきかけましょう。
この場合の評価は成果に対して点数をつけるようなものではなく、仕事をしたことを「褒める」という意味の評価です。
決められた項目で行われる評価よりも、上司からかけられた「頑張ってくれてありがとう」「良くやったね」などの言葉が響くこともあります。
仕事の成果を一緒に喜べる上司であることを意識すると良いでしょう。
仕事を任せてみる
部下に思い切って仕事を任せてみるのも良い方法です。
上司から大事な仕事を任せられると、部下は「認められた」「信頼・期待されている」と感じて大きなやる気につながります。
仕事を任せるということはやる気のアップにつながるだけでなく、部下のスキルアップや経験になるという意味でもプラスです。
やり遂げることができれば部下にとっての成功体験になり、達成感を感じると同時に仕事への意欲をさらに高めることもできるでしょう。
さらにやる気を支える方法として、メンタル面のサポートも重要です。
東京・ビジネス・ラボラトリーでは企業研修を行っており、やる気の問題やコミュニケーションなどにも対応しています。
心理学のメソッドを応用したプログラムを提供しており、ビジネスシーンにおいて必要なメンタルサポートを受けることが可能です。
部下への対応で悩んでいる方は、ぜひ一度ご検討ください。
まとめ
部下が仕事に対してやる気をもてない理由には、さまざまな背景があります。
上司が一方的に指示をするのではなく、部下が仕事に対してポジティブな考えをもてるような関わりが必要です。
メンバーそれぞれがやる気をもつことができれば、チーム全体での生産性も上がります。
今回ご紹介したことを参考にして、まずはできることから取り組んでみてはいかがでしょうか。